・どのように、インデックスファンドを売却していけばいいの?
そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。
この記事を読んでいただければ、
・老後に向けたインデックス投資の出口戦略
・楽天証券での定期売却設定方法
がわかります。
インデックス投資とは
まず、「インデックス投資って聞いた事はあるけど、よく分からない」という方へ、
インデックス投資とは何か、ご説明します。
インデックス投資とは、
“市場平均の動きを示す指数(例えばTOPIX)と同じ値動きを目指す商品”
に投資する手法です。
つまり、インデックス投資とは、ざっくり言えばTOPIXのような指数で運用する投資ということです。
このインデックス投資をするには、
投資信託を買って放置するだけで、簡単に運用することができます。
信託信託とは、
「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などにする金融商品」
のことです。
投資信託について詳しく知りたいかたは、下記の記事をごらんください。
この投資法は、始めることがとっても簡単な上に、運用中は何もしなくていいのです!
詐欺みたいですね!
しかし、何も考えずに老後を迎え、生活するために売却する段階で、暴落していたら、利益が目減りしてしまいます。
そのようなことを防ぐために、インデックス投資の出口戦略を解説していきます。
インデックス投資の売買の基本
まずインデックス投資の売買の基本は、
時間を分散させて、分割購入・分割売却が必須です。
一括購入・一括売却は、基本的にNGです。
一括投資がNGな理由は、下記の記事をごらんください。
「買うとき」と「売るとき」にわけて、詳細を説明していきます。
買うとき
買うときは、定額で購入することで、安いときに多くの口数(株数)を手に入れることができます。
これを“ドルコスト平均法“と呼びますが、よく知らないというかたは、下記リンクから学んでみてください。
売るとき
売るときは、定率で売却することで、安いときに多くの口数(株数)を手放してしまうことを防ぎます。
買うときは定額、売るときは定率が鉄則というわけです。
インデックス投資の出口戦略(パターン別)
インデックス投資の出口戦略には、下記3パターン(退職時期)によって異なります。
②50~60歳で退職する場合
③50歳未満で退職する場合
上記3パターンに分けて、説明していきます。
①60歳以降で退職する場合の出口戦略
まず、「退職以降の生活費の出どころ(まかないかた)」を説明しています。
退職後の生活費の出どころ(まかないかた)は、下記の3つがあります。
Ⅰ.退職金/iDeCo
Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)
Ⅲ.老齢年金
「Ⅰ.退職金/iDeCo」や「Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)」と、
「Ⅲ.老齢年金」は並行して、生活費をまかなう認識の方もいらっしゃるかもしれませんね。
老後の生活費は、ⅠⅡⅢを「並行」して使用するのではなく、「継投」するのです。
具体的にいえば、
「Ⅰ.退職金/iDeCo」が使い終わったら、「Ⅱ.積立NISA/特定口座」を使う。
「Ⅱ.積立NISA/特定口座」をほとんど使ったら、「Ⅲ.老齢年金」を使う。
という形です。
繰下げ受給とは、老齢年金を65歳より遅らせて受給開始することで、受給額が増加するというものです。
仮に、老齢年金を72歳まで繰り下げたとしましょう。
老齢年金は58.8%増額し、多くの人は老齢年金だけで暮らしていくことができます。
それでは、72歳までの生活費は、どうすればいいのでしょうか。
まず、退職時以降は「Ⅰ.退職金/iDeCo」のお金を使います。
「Ⅰ.退職金/iDeCo」のお金がなくなったら、老齢年金受給開始まで、
「Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)」のお金を使います。
上記の説明をまとめると、
「Ⅰ.退職金/iDeCo」~「Ⅲ.老齢年金受給開始」の期間で、
「Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)」を定率で取り崩す必要があります。
このとき、
1.定期売却設定(Ⅰ.退職金/iDeCoを使いきった段階)
2.定期売却解除(Ⅲ.老齢年金受給開始のタイミング)
の行動が必要です。
1.定期売却設定は、
楽天証券をお使いのかたであれば、1度設定してしまえば、あとは自動的に毎月定率で売却していくことができます。
※定期売却設定については、後述します。
2.定期売却解除は、
Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)のお金を使い切ってしまう場合、手続き不要です。
さらに、暴落に備えたい人は、現金(生活費2年間分)を別途用意しておけばよいです。
定期売却中に、株価が暴落した場合は、定期売却を一旦やめ(設定を解除し)、別途用意しておいた現金で生活するのです。
株価が、ある程度戻ったところで、再び定期売却設定をすれば良いです!
②50~60歳で退職する場合の出口戦略
次に“②50~60歳で早期退職する場合”の出口戦略を説明します。
このパターンは、”①60歳以降で退職する場合”と似ております。
唯一、違うポイントは、
退職~60歳までの生活費の出どころ(まかないかた)です。
通常、退職金・iDeCoは60歳まで引き出すことができません。
そのため、退職~60歳までの生活費は、「Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)」を定期売却して、まかなうことになります。
60歳以降の生活費の出どころ(まかないかた)は、
“①60歳以降で退職する場合”と同様です。
それに伴い、定期売却の設定&解除を、2回ずつ実施することになります。
定期売却設定&解除1回目
(退職時&60歳)
定期売却設定&解除2回目
(Ⅰ.退職金/iDeCoを使いきった段階&Ⅲ.老齢年金受給開始のタイミング)
③50歳未満で退職する場合の出口戦略
このパターンは、FIRE(ファイヤー)と言われる場合です。
FIRE(ファイヤー)とは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、
経済的自立による早期退職のことです。
具体的には、投資などで得られる不労所得をもとに、生活することを目指したライフスタイルです。
このパターンの出口戦略は、パターン①②の方法とは大きく異なります。
下記の記事より学んでみてください。
https://wakuwaku-happiness.com/20210312/financial_independence_retire_early/
楽天証券での定率売却設定
楽天証券では、一度設定してしまえば、あとは自動的に定率で毎月売却してくれます。
その設定方法について、説明していきます。
ちなみに、SBI証券では定額売却設定は可能ですが、定率売却設定はできません。
※2021/5/7時点
<楽天証券の設定手順>
①「投資信託」をクリック
②「定期売却」をクリック
③「設定」をクリック(積立中のファンドは表示されません)
④「期間指定」をクリック
期間指定とは、最終受取年月を指定し、指定投資信託の保有口数を、当該年月までの売却回数で等分した口数を定期的に売却し、受取ります。
同じ口数ずつ売却しているので、定率で売却していることになります。
※チェック項目に「定率指定」がありますが、これではありません。
2050年12月までと指定した場合、指定した投資信託の口数を360回(2020年1月設定の場合)で割った口数を自動的に毎月売却してくれます。
⑤「最終受取年月」を記入
インデックスファンドの残高が
“何年間分の生活費”かに応じて、最終受取年月を記入します。
例えば、下記のケースの場合、
・定期売却開始年齢:X=66歳
・インデックスファンドの残高:Y=生活費8年間分
最終受取年齢(X+Y)=74歳、という計算になります。
⑥「受取日」を記入
受取日は、毎月19日にすることをオススメします。
S&P500を調査した結果、19日が最も株高なためです。
外部リンク
⑦「設定内容の確認へ」をクリック
これで、設定終わりです。
まとめ
いかがでしょうか?
老後に向けたインデックス投資の出口戦略について、知識が深まりましたでしょうか。
まとめると、
60歳以降の退職する場合の出口戦略は、下記のとおりです。
ⅠⅡⅢの継投(順番に使うこと)で、生活費をまかなう
Ⅰ.退職金/iDeCo
↓
Ⅱ.積立NISA/特定口座(インデックス投資)
期間指定(定率)で売却
↓
Ⅲ.老齢年金
70歳以降まで繰下げ受給
この記事とあわせて、下記リンクから「老齢年金の繰下げ受給」についても学んでいただけると、さらに理解が深まるかと思います。
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