投資(中上級者向け)

【米国ETF】長期米国債券ETF(TLT/EDV/TMF)を解説

bond
困った人
困った人
・長期米国債券ETFについて知りたい
・おすすめの長期米国債券ETFってどれ?
・株式と債券の最適な比率を知りたい

そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。

この記事を読んでいただければ、
長期米国債券ETFTLT/EDV/TMFについて知ることができて、
どんな株式/債券比率のポートフォリオにすればよいかが分かります。

長期米国債券ETFとは

償還期間(満期までの期間)によって、
債券は、長期・中期・短期に分類されます。

長期債:10年を超えるもの
中期債:2~10年のもの
短期債:2年未満のもの

債券は、残存期間が長いものほど、値動きが大きいのが特徴です。
すなわち、長期米国債券は、値動きが大きい商品です。

償還時(満期時)の受け取り金額が決まっているため、
償還が近づくほど(残存期間が小さくなるほど)、値動きが小さくなるのです。

長期米国債券ETFの比較(TLT vs EDV)

代表的な長期米国債券ETFには、TLTEDVがあります。
また、TLTの3倍の値動きをするレベレッジETFが、TMFです

TLTとEDVを比較すると、大差はありませんが、
TLTの方がリターンがよく、リスク(値動き)も小さいことがわかります。

TLT EDV TMF
名称 iシェアーズ
米国債
20年超
ETF
超長期
米国債
ETF
デイリー
米国債
20年超
ブル3倍
運営会社 ブラックロック バンガード ディレクション
設定月 2002/7 2007/12 2009/4
ベンチ
マーク
ICE米国国債
20年超指数
ブルームバーグ
バークレイズ
米国債STRIPS
(20-30年)
均等額面指数 
ICE米国国債
20年超指数
経費率 0.15% 0.07% 1.09%
分配金
利回り
1.63% 2.38% 0.07%
過去13年
年率リターン
2.5% 1.1% 4.4%
リスク
(標準偏差)
※過去11年
13.2% 20.6% 43.7%
シャープレシオ 0.19 0.05 0.10

上記は、2021/3/25時点の情報になります。

下記は、TLT、EDV、TMFのチャートです。
リスク(値動き)の大きさは、TLT<EDV<<<TMFです。

TMFは、値動きが激しいことがわかりますね。
債券ETFチャート_TLT_EDV_TMF

全世界株式と長期米国債券の逆相関

困った人
困った人
長期米国債券ETFをポートフォリオに組み込むメリットは?

長期米国債券(TLTなど)をポートフォリオに組み込むことで、
値動き(リスク)を抑えたポートフォリオになります!

その理由は、
株式と長期米国債券には、逆相関の関係があるからです。
資産同士の相関については、下記記事をごらんください。

相関係数
【完全版】各資産の相関係数一覧 と 分散重視のポートフォリオを紹介 そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。 この記事を読んでいただければ、 各資産同士の相関係数が分か...

下記に、全世界株(VT)と長期米国債券(TLT)のチャートを示します。

全世界株式が上昇しているときは、長期米国債券は下落し、
全世界株式が下落しているときは、長期米国債券は上昇します。

株式と長期米国債券の逆相関
つまり、
全世界株式(VT)と長期米国債券(TLTなど)の両方を、
ポートフォリオに組み込むことで、
リスク(値動き)を抑えたポートフォリオになります!

※もちろん、全世界株式でなく、米国株でも同じことが言えます。

次章より、全世界株式と長期米国債券を、
どのような比率で持つのが、オススメかを解説していきます。

VT60% TLT40%のポートフォリオ(初心者向け)

困った人
困った人
全世界株式と長期米国債券の最適比率は?

リターンとリスクのバランスを追求するのであれば、
全世界株式VT60%、長期米国債券TLT40%がおすすめです!
VT_TLT_ポートフォリオ

株式比率に応じたシャープレシオ

下記グラフは、全世界株式と長期米国債券の比率に応じた、シャープレシオの変化を示しております。

シャープレシオとは、「リターン」/「リスク」で算出される値です。
大きいほど、投資効率(リスクのわりにリターン)が良いこと
を示します。

下記グラフの通り、全世界株式60%、長期米国債券40%
最もシャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。

【前提条件】
・2010/9~2021/3のデータをもとに算出
・リバランス:3か月ごとに規定の比率に調整
・売買手数料:0.45%
・配当金:再投資
・売却時の税金:考慮なし

VT_TLT

株式VT60% 債券TLT40%チャート

それでは、下記に
①全世界株式VT60%、長期米国債券TLT40%
②全世界株式VT100%
のチャートを示します。

【前提条件】
リバランス:3か月ごとに規定の比率に調整
・リバランス時の売買手数料:0.45%
・配当金:再投資
・売却時の税金:考慮なし

両者のリターンに、大きな違いはありませんが、
株式VT60%/債券TLT40%のチャートの方が、
値動きが小さく、安定していることがわかります。

VT_TLT_チャート

困った人
困った人
債券TLTは、リターンが低いにも関わらず、なぜ両者が同じリターンになるの?

これは、リバランスしていることが影響しています!

リバランスとは、規定の資産比率(株式/債券比率など)になるように
一部の資産を売買し、ポートフォリオを調整することです。

前述の通り、株式と債券は逆相関の関係にありますので、
株式相場が下落しているときは、債券は上昇します。

このときリバランスすると、
値上がりした(割高になった債券を売り
下落した(割安になった株式を買うことになります。

このリバランスにより
株式が上昇に転じたとき、株式の大きな利益に繋がります。

全世界株式VT60%、長期米国債券TLT40%でも
リバランス(3か月に1回程度)をすれば、値動き(リスク)を抑えつつ、
高いリターンが期待できるのです。

VT80% TMF20%のポートフォリオ(上級者向け)

困った人
困った人
リターンをもっと追及するポートフォリオってないの?

リスクを抑えつつ、さらに大きなリターンを狙うには、
全世界株式VT:80%、長期米国債券レバレッジTMF:20%
のポートフォリオがおすすめです!

この方法は、前述のVT60%/TLT40%の比率を、アレンジした比率になります。

長期米国債券をレバレッジETFのTMFに切り替えて、値動き(リスク)を大きくします。

そのため、債券の比率を減らし、リターンが期待できる株式の比率を上げることができるのです。

株式VT/債券TMFの比率に応じたシャープレシオ

下記グラフは、全世界株式VTと長期米国債券レバレッジTMFの比率に応じた、シャープレシオの変化を示しております。

前述のとおり、
シャープレシオとは、「リターン」/「リスク」で算出される値です。
大きいほど、投資効率(リスクのわりにリターン)が良いことを示します。

下記グラフの通り、全世界株式VT:80%、長期米国債券レバレッジTMF:20%
最もシャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。

【前提条件】
・2010/9~2021/3のデータをもとに算出
・リバランス:3か月ごとに規定の比率に調整
・売買手数料:0.45%
・配当金:再投資
・売却時の税金:考慮なし

VT_TMF

株式VT80% 債券レバレッジTMF20% チャート

それでは、下記に
①全世界株式VT80%、長期米国債券レバレッジTMF20%
②全世界株式VT100%
のチャートを示します。

【前提条件】
リバランス:3か月ごとに規定の比率に調整
・リバランス時の売買手数料:0.45%
・配当金:再投資
・売却時の税金:考慮なし

全世界株式VTと比較すると、
株式VT80%/債券レバレッジTMF20%のチャートの方が、
値動き(リスク)を抑えつつ、リターンが大きいこと
がわかります。


まとめ

いかがでしょうか?
長期米国債券ETFのTLT/EDV/TMFについて、知識が深まったでしょうか。

まとめますと、
①TLTとEDVを比較すると、TLTの方がリターンがよい。
②ポートフォリオに長期米国債券ETFを組み込み、リバランスすることで、
値動き(リスク)を抑えつつ、リターンを期待できる。

おすすめの株式/債券比率は、下記のとおりです。

初心者向け:株式60%、債券TLT40%
上級者向け:株式80%、債券レバレッジTMF20%

 

今回の記事では、株式と債券の最適比率のお話でしたが、
下記リンクの記事を読んでいただければ、
先進国株式と新興国株式の最適比率がわかります。

https://wakuwaku-happiness.com/20210505/developed_emerging_hiritsu/

 

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長期米国債券ETFほかに、おすすめ米国ETFとして、
中小型株VXF半導体分野SMH米国セクターETFがあります。

下記の記事で、ぜひ学んでいただければと思います。

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