インデックス投資を超える投資ってないの?
・インデックス投資だけではもの足りない人
・インデックス投資を上回るリターンを目指したい人
に向けて、米国セクターETFについて丁寧に解説する記事となります。
セクターとは
まずセクターとは、業種の分類のことをいいます。
一般的に、下記の通り11のセクターに分類されます。
セクター名 | 銘柄例 | |
1 | 生活必需品 | P&G、コカ・コーラ |
2 | ヘルスケア | ジョンソン&ジョンソン、ファイザー |
3 | 情報技術 | アップル、マイクロソフト、VISA |
4 | 公益事業 | ネクステラエナジー |
5 | 資本財 | ボーイング、3M |
6 | エネルギー | エクソンモービル、シェブロン |
7 | 通信 | Facebook、Google、AT&T |
8 | 一般消費財 | Amazon、マクドナルド、NIKE |
9 | 金融 | JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ |
10 | 素材 | リンデグループ、ニューモントマイニング |
11 | 不動産 | アメリカンタワーリート |
一般的なインデックス、
例えばS&P500は、下記のセクター比率で構成されております。
今回紹介する投資方法は、
上記セクターのなかで、インデックスを上回るリターンが期待できるセクターのみに投資する方法です。
各セクターの年率リターン
②ヘルスケアセクター
③情報技術セクター
の3つです!
下記グラフは
米国株における1974年からの年率リターンとリスクを表したものです。
トータル(インデックス)を大きく上回っているセクターは、
生活必需品、不動産、ヘルスケアです!
下記グラフは
米国株における2005年からの年率リターンとリスクを表したものです。
トータル(インデックス)を上回っているセクターは、
情報技術、ヘルスケア、生活必需品、一般消費財、公益です!
上記2つのデータから、
インデックスを上回るリターンが期待できるセクターは、
①生活必需品セクター
②ヘルスケアセクター
③情報技術セクター
の3つだと思います!
生活必需品・ヘルスケアセクターについて
生活必需品セクターの代表銘柄と言えば、P&G、コカ・コーラです。
ヘルスケアセクターの代表銘柄と言えば、ジョンソン&ジョンソンです。
この2つのセクターの特徴は、
世界人口増加、新興国の経済レベル向上の恩恵を受けられるということです。
簡単に言えば、世界が発展すれば、生活必需品や医療品も多く売れるということです。
さらにこの2セクターは、リターンが高いだけでなく、暴落時の下落率も低いのです。
不景気になったからといって、例えばシャンプー(生活必需品)を買い控えたり、病気なのに医薬品を買わなかったりは、あまりないですよね。
そのため、生活必需品・ヘルスケアセクターは、安定的かつ高いリターンが見込めるセクターになります。
情報技術セクターについて
情報技術セクターの代表銘柄と言えば、アップル、マイクロソフト、VISA、マスターカード、Adobe、PayPal、Intelです。
意外にも、VISA、マスターカードのクレジットカード会社も、このセクターなのです。
直近15年のリターンが目覚ましく、今後もリターンが期待できるでしょう!
ただ注意しなければいけないのは、
リスクが大きい(株価の上下動が大きい)という点です。
そのため、リスクの低い生活必需品・ヘルスケアとの組み合わせが必須になります。
後述の「おすすめのETF管理方法」でご説明します。
セクター投資できるETF
3つのセクターに投資する方法は、セクターETFの購入です。
セクターETFの購入により、特定のセクターのみの銘柄群を買えるのです。
生活必需品、ヘルスケア、情報技術セクターの銘柄群に投資するためには、
セクターETFのVDC、VHT、VGTを買えばよいのです。
セクター名 | ETF名 | 最小購入金額 ’21/10現在 |
|
1 | 生活必需品 | VDC | 170ドル |
2 | ヘルスケア | VHT | 210ドル |
3 | 情報技術 | VGT | 320ドル |
4 | 公益事業 | VPU | 140ドル |
5 | 資本財 | VIS | 150ドル |
6 | エネルギー | VDE | 40ドル |
7 | 通信 | VOX | 110ドル |
8 | 一般消費財 | VCR | 240ドル |
9 | 金融 | VFH | 60ドル |
10 | 素材 | VAW | 140ドル |
11 | 不動産 | VNQ | 80ドル |
おすすめのETF管理方法
3つのセクターが、常に同じ比率になるように投資することをお勧めします。
特に、直近で情報技術セクター(VGT)の上昇率が良かったからといって、VGTに多く投資することは、おすすめしません。
理由は、株式の平均回帰性というものが関係しているからです。
株価が上昇しすぎると下落して、下落しすぎると上昇するという性質です。
直近、上昇したETFを購入すると、その後は下落しやすく損しやすいということです。
一方で、3つのセクターが、常に同じ比率になるように投資する方法は、
相対的に下落したセクターを多く購入し、上昇したセクターの購入を控えます。
具体的な方法としては、
①毎月3つのセクターのうち、保有金額がもっとも小さいセクターを確認する
②そのセクターのETFを購入し、3つのセクターが同じになるように調整する
ただし、上がりすぎたセクターを売ってまで調整する必要はありません。
余計な売買は、無駄な手数料がかかってしまいますので、
売ることはせず、買うことで調整することが重要です。
また、毎月調整しなくとも、3か月に1回の調整でも十分です!
株式の平均回帰性に従えば、この方法が合理的な投資手法なのです。
コア・サテライト戦略
あくまでインデックス投資を土台として、一部でセクター投資をすることをおすすめします!
過去数十年のデータから、
生活必需品・ヘルスケア・情報技術セクターは、インデックスを上回るリターンが期待されておりますが、必ずしも未来が同様の傾向になるとは限りません。
そのため、インデックス投資をポートフォリオの土台として、補完する役目としてセクターETFに投資をすることをおすすめします!
このような方法は、コア・サテライト戦略と呼びます!
コア(核):インデックス投資
サテライト(衛星):セクター投資
という位置づけになります。
具体的には、下記のようなポートフォリオ(商品配分)がおすすめです。
emaxis slim全世界株式 (全世界インデックスファンド) |
55% |
VDC(生活必需品ETF) | 15% |
VHT(ヘルスケアETF) | 15% |
VGT(情報技術ETF) | 15% |
このコア・サテライト戦略は、投資界の名著である「株式投資の未来」でも推奨されている方法になります。
株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす [ ジェレミー・J.シーゲル ] 価格:2,420円 |
まとめ
いかがでしたか?
米国セクターETFについて、知ることができたでしょうか?
米国セクターETFによる投資は、インデックス投資を超えるリターンが狙える投資法です。
この投資を実践するときは、VDC(生活必需品)、VHT(ヘルスケア)、VGT(情報技術)への均等投資がおすすめです。
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