・米国株式と新興国株式の最適な投資比率を知りたい
そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。
米国株式とは
一口に米国株式といいましても、
主な米国のインデックスには、下記のものがあります。
・米国大型株指数:S&P500(VOOなど)
・米国中小型株指数:S&Pコンプリーション指数(VXF)
・米国小型株指数:ラッセル2000(VTWOなど)
最も有名な指数であるS&P500は、
米国主要企業500銘柄の時価総額加重平均指数になります。
ここからは、S&P500に絞って解説していきます。
セクター比率
米国株式(S&P500)のセクター(業種)比率は、下記のようになっています。
主要構成銘柄
米国株式(S&P500)の構成銘柄TOP10は、下記のようになっております。
GAFAMで約20%を占めております。
銘柄 | ティッカー シンボル |
比率 |
アップル | AAPL | 5.87% |
マイクロソフト | MSFT | 5.38% |
アマゾン | AMZN | 4.20% |
フェイスブック | FB | 2.21% |
アルファベットC ※議決権無し |
GOOG | 2.00% |
アルファベットA ※議決権有り |
GOOGL | 1.96% |
テスラ | TSLA | 1.54% |
バークシャー ハサウェイ |
BRKB | 1.47% |
JPモルガン・チェース・ アンド・カンパニー |
JPM | 1.33% |
ジョンソン & ジョンソン |
JNJ | 1.21% |
抜粋:ブルームバーグ(2021/6/5時点)
新興国株式とは
新興国株式として最もメジャーなインデックスは、
「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」です。
MSCIエマージング・マーケット・インデックスは、
MSCI社が定義する新興国27か国で構成されています。
上場する大・中型株を対象として、1200銘柄で構成されています。
国別構成比率
新興国株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)の国別構成比率は、下記のようになっております。
中国が約40%を占めております。
抜粋:eMAXIS Slim新興国株式 運用目論見書(2020/12/末時点)
セクター比率
新興国株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)のセクター(業種)比率は、下記のようになっています。
主要構成銘柄
新興国株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)の構成銘柄TOP10は、下記のようになっております。
銘柄 | ティッカー シンボル (米国ADR) |
比率 |
台湾 セミコンダクター |
TSM | 6.3% |
テンセント | ー | 6.0% |
アリババ | BABA | 5.8% |
サムスン | SMSD | 4.2% |
メイトゥアン | ー | 2.0% |
ナスパーズ | ー | 1.2% |
JD.COM | JD | 0.9% |
ニオ |
NIO | 0.9% |
中国建設銀行 | ー | 0.9% |
リライアンス・ インダストリーズ |
ー | 0.9% |
抜粋:eMAXIS Slim新興国株式 運用目論見書(2020/12/末時点)
米国株だけの投資がオススメできない理由
②新興国株式を一部組み込んだポートフォリオの方が、投資効率が上がるため
ここでは、①のみ解説します。
※②は後述の「米国株式と新興国株式の最適比率」で解説
株式には流行があり、各年代のブーム(リターン最高)は、
1980年代は日本株、
1990年代は米国株、
2000年代は新興国株、
2010年代は米国株と、
10年単位で移り変わってきました。
例えば、2000年代、米国株は低迷して、
「米国株は時代遅れの投資先、BRICs(新興国)に投資すべき」
と言われていたそうです。
下記グラフは、その2000年代の株価チャートになります。
米国株(S&P500)は1.6倍にしかなっていないのに対して、
新興国株は3.8倍にも急上昇しているのです!
このように、米国株が低迷しているなかで、10年間も一貫した投資方針で、米国株を買い続けられる意思の強い人は、稀でしょう!
「株価が低迷している時に、株を売ってしまうこと」は、株式投資の必敗法なのです。
そのため、米国株を妄信せず、その他の国の株式にも投資することをオススメします。
米国株以外の株式とは
株式を大別すると、下記の3つがあります。
①米国株式
②米国を除く先進国株式
③新興国株式
米国株式以外にも投資する方法として、
最も簡単な方法は、全世界株式だけを買うことです。
最も成長が期待できる米国株式を中心として、全世界に分散することができます。
投資に時間をかけたくないというかたは、この方法がオススメです。
確かに、全世界株式への投資は、成長性に乏しい②米国以外の先進国にも、間接的に投資していることになります。
そのため、手間をかけても高いリターンを追い求めたいという方は、全世界株式への投資はオススメできません。
そのような方に、オススメする方法は、
ポートフォリオに、②米国を除く先進国株式を含めず、
①米国株式+③新興国株式のポートフォリオにするということです。
それでは、過去の統計より、
「①米国株式と③新興国株式をどのような比率で投資すればよいか」
ということを説明していきます。
米国株式と新興国株式の最適比率
米国株式と新興国株式の最適な投資比率を知りたい
最適な投資比率は、下記の通りです。
“①過去20年間”と”②過去5年間”の2パターンの株価データから、
米国株式と新興国株式の比率に応じたシャープレシオ(投資効率)を算出しました。
シャープレシオとは、「リターン」/「リスク」で算出される値です。
大きいほど、投資効率(リスクのわりにリターン)が良いことを示します。
下記の通り、”①過去20年間”と”②過去5年間”で、最適な比率は異なります。
最適な比率(シャープレシオが最も高い比率)
①過去20年間より算出
米国株式50%:新興国株式50%
②過去5年間より算出
米国株式90%:新興国株式10%
しかし、いずれの期間でも、米国株式75%:新興国株式25%の比率のシャープレシオが、ある程度高い(投資効率が良い)結果になっております。
※詳細は後述します
それでは、上記パターン①②について、詳細を説明していきます。
①過去20年間のデータをもとに算出した最適比率
下記グラフは、米国株式と新興国株式の比率に応じた、シャープレシオになります。
※過去20年間(2001/4~2021/3)を元に算出
シャープレシオとは、「リターン」/「リスク」で算出される値です。
大きいほど、投資効率(リスクのわりにリターン)が良いことを示します。
下記グラフの通り、米国株式50%、新興国株式50%が
最もシャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。
また、米国株式75%:新興国株式25%の比率でも、ある程度シャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。
※myインデックスのデータをもとに算出
参考までに、
この過去20年間(2001/4~2021/3)の期間の年率リターンは、
・米国株式:7.7%
・新興国株式:9.6%
となっております。
②過去5年間のデータをもとに算出した最適比率
下記グラフは、米国株式と新興国株式の比率に応じた、シャープレシオになります。
※過去5年間(2016/4~2021/3)を元に算出
下記グラフの通り、米国株式90%:新興国株式10%が
最もシャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。
また、米国株式75%:新興国株式25%の比率でも、ある程度シャープレシオが大きい(投資効率が良い)ことが分かります。
※myインデックスのデータをもとに算出
参考までに、
この過去5年間(2016/4~2021/3)の期間の年率リターンは、
・米国株式:15.7%
・新興国株式:11.0%
となっております。
まとめますと、”①過去20年間”と”②過去5年間”のいずれの期間でも、
米国株式75%:新興国株式25%のとき、シャープレシオがある程度高いことから、
おおよそ最適な比率と考えられます。
積立NISAや特定口座で投資するには?
下記の商品で、投資をすることをオススメします。
米国株式 | 新興国株式 | |
投資商品 (投資信託) |
eMAXIS Slim 米国株式 |
eMAXIS Slim 新興国株式 |
投資比率 | 75% | 25% |
「投資信託よりもETFのほうが、信託報酬(手数料)が安いのでは?」
と思われたかたもいらっしゃるかもしれませんね。
インデックス投資の場合、投資信託のほうがおすすめです。
詳しく知りたいかたは、下記の記事をよんでみてください。
まとめ
いかがでしょうか?
米国株式と新興国株式の最適な投資比率について、知識が深まりましたでしょうか。
最適な投資比率は、下記のとおりです。
また、おすすめの投資商品(投資信託)は、下記のとおりです。
米国株式:eMAXIS Slim米国株式
新興国株式:eMAXIS Slim新興国株式
今回の記事では、株式のなかの比率のお話でしたが、
株式と債券の割合についても、下記の記事から学んでみてください。
下記の記事を読んでいただければ、
リターンを下げずに、リスク(値動き)を小さくする方法がわかります。
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