・ドルコスト平均法とバリュー平均法の違いってなに?
そのような疑問を解決する記事になっております。
この記事を読んでいただければ、
ドルコスト平均法やバリュー平均法について、詳しく知ることができます。
・バリュー平均法とは
・各手法のメリット/デメリット比較
・各手法のリターン比較
・各手法で投資すべき資産
ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法とは、
価格が変動する商品を、毎月同じ金額を購入することで、
平均購入単価を下げる手法になります。
ドルコスト平均法の特徴
○手間:かからない
○難易度:超簡単
各特徴について、細かく解説していきます。
①平均購入単価について
ある投資信託の1口(1株)の価格が、下記のように推移したとします。
この投資信託は、50円と100円を毎月繰り返しており、
この投資信託に、毎月100円を積立投資したとしましょう。
1口 50円で買う回数が6回、
1口 100円で買う回数も6回です。
さて、平均購入単価はいくらになるでしょうか。
正解は、75円ではなく、67円です。
では、なぜ平均購入単価が低くなるのか、計算していきましょう。
50円のときには、2口買うことができて、
100円のときには、1口買うことができます。
そのため、購入口数は、
株価50円のとき、2口×6回=12口
株価100円のとき、1口×6回=6口
12口+6口=合計18口になります。
平均購入単価(1口あたりの金額)は、
(100円×12回)÷18口≒67円
となります。
このように、毎月定額積立(ドルコスト平均法)の場合、
平均購入単価は、単純平均(75円)よりも安く買えます。
②ドルコスト平均法の手間
ドルコスト平均法を活用した投資は、手間いらずです。
その理由は、投資信託の場合、一度積立設定しておけば、後は何もすることがありませんので、手間・労力は全くかかりません。
投資信託積立設定の方法が分からない方(楽天証券の場合)は、
下記リンクの記事を見ながら設定してみてください。
楽天証券の投資信託積立設定の方法をみる
③ドルコスト平均法の難易度
ドルコスト平均法の難易度は、理論上は超簡単です。
前述のとおり、一度積立設定をしておけば、後は何もすることがないからです。
しかし、人によっては何もしないことが退屈すぎて、
不必要な売買をしてしまうことがあります。
投資したことを忘れるくらいが、ベストです。
バリュー平均法とは
次に、バリュー平均法について説明していきます。
バリュー平均法は、投資上級者向けです。
投資初心者のかたは、下記リンクから読み飛ばしていただくことをおすすめします。
読み飛ばす
まず、バリュー平均法とは、
バリュー経路に対して、定期的に不足金額を購入する手法になります。
バリュー経路とは、
定額積立時の累計投資額(投資リターンを含む)のことです。
例えば、年率6%(月率0.5%)が期待できる資産への投資であれば、
当月のバリュー経路価格=(前月のバリュー経路×月率0.005)+毎月の積立額
で計算できます。
下記グラフのように、
バリュー経路価格より累計投資額が、
下回る場合は、その不足分を買い、
上回る場合は、その過達分を売るということです。
理論は、上回る場合に、その過達分を売るという考えですが、
現実では、余計な売買手数料がかかりますので、売らなくてもよいです。
「バリュー経路の計算が複雑で分からないよ」という方も、
多いのではないでしょうか?
そのような方は、下記の計算シートをお使いください。
毎月の積立額など、必要な項目を入力すれば、“バリュー経路”や“月ごとの投資額”が、
自動的に算出できます。
バリュー平均法の計算シート
バリュー平均法の特徴
バリュー平均法の主な特徴は、下記の通りになります。
×手間 :毎月の管理が必要
×難易度:暴落時に莫大な資金が必要になる、相場に左右されやすい
①平均購入単価について
前述のとおり、バリュー経路価格より累計投資額が下回る(割安のとき)ほど、
投資額が増える仕組みになっています。
そのため、平均購入単価は、
定額購入のドルコスト平均法よりも安く、優れていると言えます。
②バリュー平均法の手間
バリュー平均法を活用した投資は、月1回の管理が必須のため、少々面倒です。
バリュー経路価格、累計資産額(月初資産残高)から、当月に投資すべき金額を算出する必要があります。
「そんなのは面倒くさい」と思われた方は、ドルコスト平均法で十分です。
③バリュー平均法の難易度
ドルコスト平均法の難易度は高いです。
上昇がつづく相場では、ほとんど投資できないため、
「せっかくの投資できるお金を眠らせてしまっている」
と思うでしょう。
一方、暴落相場では、莫大な資金が必要ですが、そこまでのお金を確保できていないことが想定されます。
「自分では、うまくできなさそう」
と思われたかたは、ドルコスト平均法で十分です。
ドルコスト平均法 vs バリュー平均法のメリデメ比較
ドルコスト平均法、バリュー平均法、それぞれの特徴を下記にまとめます。
「リターンを追求したくて、手間をかけてもよくて、投資知識もある」という方以外は、
ドルコスト平均法をおすすめします。
項目 | ドルコスト平均法 | バリュー平均法 |
平均購入単価 (リターン) |
○ 安いときに 多く買える |
◎ 安い時にさらに 多く買える |
手間 | ◎ 手間なし |
△ 月1回の管理が必要 |
難易度 | ○ | × 暴落時に莫大な 金額が必要 |
ドルコスト平均法 vs バリュー平均法のリターン比較
そのような疑問にお答えしていきます。
ドルコスト平均法とバリュー平均法、それぞれの手法で、
米国株式(S&P500)に投資した際のリターンを比較します。
【前提条件】
・投資期間:1993/3~2021/2の28年間(336か月)
・投資資金:336万(ドルコスト平均法の場合は、毎月1万)
・バリュー経路価格より累計投資額が上回る場合、上回る分は売却する
・売買手数料:売買金額に対して0.45%
2つの平均法のリターンを比較すると、
ドルコスト平均法は、336万→1140万(3.4倍)
バリュー平均法は、336万→6001万(17.9倍)
このバックテストとおりに実行できれば、
リターンはバリュー平均法の圧勝です。
しかし、大きな問題があります。
バックテスト通りに実行しようと思うと、コロナショックのときに、948万も投資する必要があったのです。
その資金を用意しておくことも非現実的で、
暴落のなかで、948万の大金を投資するにも、度胸が必要ですね。
ドルコスト・バリュー平均法で投資すべき資産
ドルコスト平均法やバリュー平均法で投資すべき資産の特徴は、
下記の通りです。
②長期では確実に増加する資産
③値動き(リスク)が大きい資産
④1口が小さい商品
ドルコスト平均法やバリュー平均法で投資するのに、
具体的に向いている資産(上記①~④を満たすもの)は、
株式の投資信託です。
具体的な一例では、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)をおすすめします。
eMAXIS Slim 全世界株式がおすすめな理由はこちらへ
一方で、NG例は、下記のような資産です。
・債券商品(値動きが小さい)
・バランスファンド(値動きが小さい)
・仮想通貨(長期的な値上がりが不確か)
・個別銘柄(長期的な値上がりが不確か)
ドルコスト・バリュー平均法が使える投資資金
“いますぐにでも投資できるお金”を
10年にもわたって、ドルコスト平均法で積立投資することはオススメできません。
理由は、10年分の投資機会を失うからです。
“いますぐにでも投資できるお金”の投資方法は、下記から学んでみてください。
いますぐにでも投資できるお金の投資方法をまなぶ
投資できる資金には、下記の2パターンがあります。
①毎月の収入と支出の差額から投資できるお金
②いますぐにでも投資できるお金
ドルコスト平均法やバリュー平均法を使うべきお金は、
“①毎月の収入と支出の差額から投資できるお金”です。
まとめ
いかがでしょうか?
ドルコスト平均法やバリュー平均法について、
知識が深まりましたでしょうか。
「リターンを追求したくて、手間をかけてもよくて、投資知識もある」という方以外は、
ドルコスト平均法をオススメします。
また、ドルコスト平均法やバリュー平均法で投資するのに、ふさわしい資産(商品)は
株式の投資信託(eMAXIS Slim全世界株式)です。
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