そのような悩みをお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。
マイクロ法人の税金申告・納付までのステップ
マイクロ法人の経営で、税金申告・納付までのステップは下記のとおりです。
この7つのステップを順番に解説していきます。
手順 | 項目 | おすすめツール | |
① | 税金を学ぶ | 書籍「ひとり社長の節税」 | |
② | 経理を学ぶ | Youtube「ふくしままさゆき」 |
|
③ | 仕訳の入力 | 会計ソフト | |
④ | 決算書の作成 | ||
⑤ | 申告書の作成 | 申告ソフト | |
⑥ | 決算書・申告書の提出 |
e-tax(国税) eLtax(地方税) |
|
⑦ | 税金の納付 | ー |
Step① 税金を学ぶ
まず、最低限の税金の知識を身につけていただくことをオススメします。
税理士に頼らないのであれば、自らの知識で節税に取り組まなければなりません。
マイクロ法人の税金を学ぶにあたって、オススメの本は、
税理士YouTuberの田淵宏明さんの著書「ひとり社長の節税」です。
この本は、マイクロ法人の節税策がていねいに書かれています。
私自身も、10冊近くの税金の本を読んできましたが、
その中でもこの本は、すべての情報が集められており、分かりやすい本だと思います。
日本一わかりやすい ひとり社長の節税 税理士YouTuberが“本音”で教える [ 田淵宏明 ] 価格:1,650円 |
Step② 経理を学ぶ
税金に加えて、経理の知識も必要となります。
経理の知識が必要となる理由は、自ら仕訳という作業をする必要があるからです。
仕訳とは、帳簿に取引を記録することをいいます。
事業を行う上で生じた取引は、すべて仕訳をしなければなりません。
マイクロ法人経営の経理としては、簿記3級レベルの仕訳ができるようになればOKです。
勉強方法は、「ふくしままさゆき」さんのYoutube動画をみていただくのが、オススメです。
とっても、わかりやすい動画で、私自身もこの動画で勉強しました。
この動画で学ぶべきことは、「簿記の概念」と「仕訳のしかた」です。
具体的に言えば、簿記3級講義の1~14話(合計7時間程度)です。
「決算書の作成のしかたも学ぶ必要があるのでは?」
と思われたかたもいらっしゃるかもしれませんね。
決算書(貸借対照表、損益計算書)の見方を知る必要がありますが、作れるようになる必要はありません。
その理由は、
決算書(貸借対照表、損益計算書等)の作成は、会計ソフトが自動作成してくれるので、自ら手書きで作成する必要はないからです。
Step③ 仕訳の入力
Step②で習得した経理知識で、取引を日々仕訳する必要があります。
この会計業務(仕訳作業)を手書きやExcelでやっていては非効率ですので、会計ソフトを導入することをオススメします。
会計ソフトをオススメする理由は、
・関連帳簿への転記の手間がなくなる
・必要書類(総勘定元帳/決算書など)を自動出力できること
です。
個人事業の場合は、時間と会計知識があれば、
会計ソフトなしでも各書類を作成できなくもありません。
一方、法人の場合は、作成書類が多く複雑のため、会計ソフトなしでは不可能に近いです。
マイクロ法人向けの会計ソフトについては、下記の記事をごらんください。
Step④ 決算書の作成
法人の申告では、決算書・申告書などを税務署等に提出が必要です。
そのうち、作成すべき決算書とその関連書類は、下記のとおりです。
領収書綴り以外の全ての書類が提出必要です。
※提出先の詳細は、Step⑥で後述します。
書類 |
内容 | 提出要否 | ||
決算報告書 | 貸借対照表 (略称B/S) |
ある時点の財政状態を示すもの |
提出 必要 |
|
損益計算書 (略称P/S) |
1事業年度の経営成績を示すもの | |||
キャッシュフロー 計算書 (略称C/F) |
現金の増減とその理由を示すもの | |||
株主資本変動計画書 or 社員資本変動計画書 (略称S/S) |
事業年度における純資産の変動を明らかにするためのもの。 株式会社では株主資本変動計画書、 合同会社では社員資本変動計画書という。 |
|||
関連 書類 |
勘定科目 明細書 |
主要な勘定科目ごとの収支詳細が記載されたもので、16個の明細書がある。 | ||
総勘定元帳 (そうかんじょうもとちょう) |
全ての経理処理が科目ごとに記録されたもの | 提出不要だが 税務調査の際 必要となる |
||
領収書綴 | 経費の領収書などが日付順に綴られたもの |
領収書綴以外は、会計ソフトで作成できます。
領収書綴りの作成方法は、下記の外部リンクをご覧ください。
外部リンク(RECEIPT POST BLOG)
Step⑤ 申告書の作成
法人の申告では、決算書に合わせて、申告書の提出を税務署等に必須です。
そこで、作成すべき申告書とその付属資料は、下記のとおりです。
下記の全ての書類が、提出必要です。
※提出先の詳細は、Step⑥で後述します。
書類 | 内容 | |
申告書 | 法人税申告書 | 定められた複数の別表の書類に決算報告書を添付したもの |
(消費税申告書) | 消費税および地方消費税の申告に使用する書類 ※「前々事業年度の売上高が1000万以下もしくは無し」かつ「資本金1000万未満」の場合は、消費税の納付が免除されるため、申告書の提出も不要です。 |
|
地方税申告書 | 法人住民税、法人事業税などの申告に必要な書類 | |
付属資料 | 法人事情概況説明書 | 事業内容、従業員数、取引状況、経理状況などが記載された書類 |
(税務代理権限証書) |
申告書提出、税務調査立ち会い、問い合わせ対応などを税理士に委託した場合に必要な書類 ※税理士がいる場合、税理士が作成する資料 税理士がいない場合は不要 |
会計ソフトでは、決算書の作成はできますが、申告書の作成はできません。
申告書の作成には、別途申告ソフトが必要になります。
申告ソフトの比較(外部リンク)
なお、税理士に依頼する場合は、申告ソフトは不要になります。
Step⑥ 決算書・申告書の提出
次は、Step④⑤で作成した決算書・申告書を、提出しなければなりません。
その内容について説明していきます。
決算書・申告書の提出期限
個人事業主と法人の会計期間・申告期限を、下記に示します。
法人の申告は、決算日から2か月以内におこなう必要があります。
決算日を3月末と設定している法人では、申告期限は5月末ということです。
事業期間 | 申告期限 |
納付期限 | ||
個人 事業主 |
1/1~12/31 | 翌年 2/16~3/15 |
翌年 2/16~3/15 |
|
法人 | 法人による (主に1年間) |
決算日から 2か月以内 |
決算日から 2か月以内 ※法人事業税、法人住民税は、各都道府県によって異なる |
提出が必要な決算書・申告書
提出が必要な決算書・申告書・その関連資料の一覧は、下記に示します。
書類 | 提出先 | 作成ツール | |
決算報告書等
|
貸借対照表 (略称B/S) |
税務署 | 会計ソフト |
損益計算書 (略称P/S) |
|||
キャッシュフロー 計算書 (略称C/F) |
|||
株主資本変動計画書 or 社員資本変動計画書 (略称S/S) |
|||
勘定科目明細書 | |||
申告書 | 法人税申告書 | 申告ソフト | |
(消費税申告書) ※「前々事業年度の売上高が1000万以下もしくは無し」かつ「資本金1000万未満」の場合は、不要 |
|||
地方税申告書 (都道府県民税&市町村民税) |
都道府県民税 →各都道府県事務所 & 市町村民税 →市町村役場 |
||
付属 資料 |
法人事情概況説明書 | 税務署 | |
(税務代理権限証書) ※税理士がいない場合は不要 |
ー |
書類の提出方法
各書類の提出先(申告先)は上記表のとおりですが、提出方法は3種類あります。
<提出方法>
①税務署と各都道府県事務所の窓口に直接持っていく
②郵送
③電子申告する(e-tax(国税)とeLtax(地方税)を利用)
Step⑦ 税金の納付
税金ごとで納付先は異なり、一覧を下記に示します。
税金種類 | 納付先 | 納付期限 | |
法人税 | 税務署 | 2か月 以内 |
|
消費税 | 税務署 | ||
法人事業税 | 各都道府県民税 事務所 |
||
法人 住民税 |
都道府県民税 | 各都道府県民税 事務所 |
各都道府県により異なる (2か月以内の都道府県が多い) |
市町村民税 | 市町村役場 |
最後に
いかがでしょうか。
税理士にたよらず、自力で決算する方法について、理解いただけましたでしょうか。
最低限の税金や経理の知識を身につけて、会計ソフトや申告ソフトを利用すれば、税理士に頼らなくても決算ができます。
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