マイクロ法人

【マイクロ法人向け】税理士にたよらず自力決算する方法を解説

困った人
困った人
マイクロ法人経営で、税理士と契約せず、自力で決算する方法を教えて欲しい。

そのような悩みをお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。

マイクロ法人の税金申告・納付までのステップ

マイクロ法人の経営で、税金申告・納付までのステップは下記のとおりです。

この7つのステップを順番に解説していきます。

手順  項目 おすすめツール
税金を学ぶ 書籍「ひとり社長の節税
経理を学ぶ Youtube「ふくしままさゆき
仕訳の入力 会計ソフト
決算書の作成
申告書の作成 申告ソフト
決算書・申告書の提出
e-tax(国税)
eLtax(地方税)
税金の納付

Step① 税金を学ぶ

まず、最低限の税金の知識を身につけていただくことをオススメします。
税理士に頼らないのであれば、自らの知識で節税に取り組まなければなりません。

マイクロ法人の税金を学ぶにあたって、オススメの本は、
税理士YouTuberの田淵宏明さんの著書ひとり社長の節税です。

この本は、マイクロ法人の節税策がていねいに書かれています。

私自身も、10冊近くの税金の本を読んできましたが、
その中でもこの本は、すべての情報が集められており、分かりやすい本だと思います。

日本一わかりやすい ひとり社長の節税 税理士YouTuberが“本音”で教える [ 田淵宏明 ]

価格:1,650円
(2021/4/18 13:55時点)
感想(4件)

Step② 経理を学ぶ

税金に加えて、経理の知識も必要となります。
経理の知識が必要となる理由は、自ら仕訳という作業をする必要があるからです。

仕訳とは、帳簿に取引を記録することをいいます。
事業を行う上で生じた取引は、すべて仕訳をしなければなりません。

マイクロ法人経営の経理としては、簿記3級レベルの仕訳ができるようになればOKです。
勉強方法は、ふくしままさゆき」さんのYoutube動画をみていただくのが、オススメです。

とっても、わかりやすい動画で、私自身もこの動画で勉強しました。

この動画で学ぶべきことは、「簿記の概念」「仕訳のしかた」です。
具体的に言えば、簿記3級講義の1~14話(合計7時間程度)です。

「決算書の作成のしかたも学ぶ必要があるのでは?」
と思われたかたもいらっしゃるかもしれませんね。

決算書(貸借対照表、損益計算書)の見方を知る必要がありますが、作れるようになる必要はありません。

その理由は、
決算書(貸借対照表、損益計算書等)の作成は、会計ソフトが自動作成してくれるので、自ら手書きで作成する必要はないからです。

Step③ 仕訳の入力

Step②で習得した経理知識で、取引を日々仕訳する必要があります。

この会計業務(仕訳作業)を手書きやExcelでやっていては非効率ですので、会計ソフトを導入することをオススメします。

会計ソフトをオススメする理由は、
・関連帳簿への転記の手間がなくなる
・必要書類(総勘定元帳/決算書など)を自動出力できること
です。

個人事業の場合は、時間と会計知識があれば、
会計ソフトなしでも各書類を作成できなくもありません。

一方、法人の場合は、作成書類が多く複雑のため、会計ソフトなしでは不可能に近いです。

マイクロ法人向けの会計ソフトについては、下記の記事をごらんください。

会計ソフト
マイクロ法人向けの会計ソフトを徹底比較(freee/マネーフォワード/弥生会計) そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。 この記事をみていただければ、「会計freee」、「マネーフォ...

Step④ 決算書の作成

法人の申告では、決算書・申告書などを税務署等に提出が必要です。

そのうち、作成すべき決算書とその関連書類は、下記のとおりです。

領収書綴り以外の全ての書類が提出必要です。
※提出先の詳細は、Step⑥で後述します

書類
内容 提出要否
決算報告書 貸借対照表
(略称B/S)
ある時点の財政状態を示すもの
提出
必要
損益計算書
(略称P/S)
1事業年度の経営成績を示すもの
キャッシュフロー
計算書
(略称C/F)
現金の増減とその理由を示すもの
株主資本変動計画書
or
社員資本変動計画書
(略称S/S)
事業年度における純資産の変動を明らかにするためのもの。
株式会社では株主資本変動計画書、
合同会社では社員資本変動計画書という。
関連
書類


勘定科目
明細書
主要な勘定科目ごとの収支詳細が記載されたもので、16個の明細書がある。
総勘定元帳
(そうかんじょうもとちょう)
全ての経理処理が科目ごとに記録されたもの 提出不要だが
税務調査の際
必要となる
領収書綴 経費の領収書などが日付順に綴られたもの

領収書綴以外は、会計ソフトで作成できます。

領収書綴りの作成方法は、下記の外部リンクをご覧ください。
外部リンク(RECEIPT POST BLOG)

Step⑤ 申告書の作成

法人の申告では、決算書に合わせて、申告書の提出を税務署等に必須です。

そこで、作成すべき申告書とその付属資料は、下記のとおりです。

下記の全ての書類が、提出必要です。
※提出先の詳細は、Step⑥で後述します。

書類 内容
申告書 法人税申告書 定められた複数の別表の書類に決算報告書を添付したもの
(消費税申告書) 消費税および地方消費税の申告に使用する書類
※「前々事業年度の売上高が1000万以下もしくは無し」かつ「資本金1000万未満」の場合は、消費税の納付が免除されるため、申告書の提出も不要です。
地方税申告書 法人住民税、法人事業税などの申告に必要な書類
付属資料 法人事情概況説明書 事業内容、従業員数、取引状況、経理状況などが記載された書類
(税務代理権限証書)
申告書提出、税務調査立ち会い、問い合わせ対応などを税理士に委託した場合に必要な書類
※税理士がいる場合、税理士が作成する資料
税理士がいない場合は不要

会計ソフトでは、決算書の作成はできますが、申告書の作成はできません。

申告書の作成には、別途申告ソフトが必要になります。
申告ソフトの比較(外部リンク)

なお、税理士に依頼する場合は、申告ソフトは不要になります。

Step⑥ 決算書・申告書の提出

次は、Step④⑤で作成した決算書・申告書を、提出しなければなりません。
その内容について説明していきます。

決算書・申告書の提出期限

個人事業主と法人の会計期間・申告期限を、下記に示します。
法人の申告は、決算日から2か月以内におこなう必要があります。

決算日を3月末と設定している法人では、申告期限は5月末ということです。

事業期間 申告期限
納付期限
個人
事業主
1/1~12/31 翌年
2/16~3/15
翌年
2/16~3/15
法人 法人による
(主に1年間)
決算日から
2か月以内
決算日から
2か月以内
※法人事業税、法人住民税は、各都道府県によって異なる

 

提出が必要な決算書・申告書

提出が必要な決算書・申告書・その関連資料の一覧は、下記に示します。

書類 提出先 作成ツール 
 

決算報告書等

 

貸借対照表
(略称B/S)
税務署  
 
 
 
会計ソフト
損益計算書
(略称P/S)
キャッシュフロー
計算書
(略称C/F)
株主資本変動計画書
or
社員資本変動計画書
(略称S/S)
勘定科目明細書
申告書 法人税申告書 申告ソフト 
(消費税申告書)
※「前々事業年度の売上高が1000万以下もしくは無し」かつ「資本金1000万未満」の場合は、不要
地方税申告書
(都道府県民税&市町村民税)
都道府県民税
→各都道府県事務所

市町村民税
→市町村役場
付属
資料
法人事情概況説明書 税務署
(税務代理権限証書)
税理士がいない場合は不要
 ー

書類の提出方法

各書類の提出先(申告先)は上記表のとおりですが、提出方法は3種類あります。

<提出方法>
①税務署と各都道府県事務所の窓口に直接持っていく
②郵送
③電子申告する(e-tax(国税)eLtax(地方税)を利用)

申告

Step⑦ 税金の納付

税金ごとで納付先は異なり、一覧を下記に示します。

税金種類 納付先 納付期限
法人税 税務署 2か月
以内

消費税 税務署
法人事業税 各都道府県民税
事務所
法人
住民税
都道府県民税 各都道府県民税
事務所
各都道府県により異なる
(2か月以内の都道府県が多い)
市町村民税 市町村役場

最後に

いかがでしょうか。
税理士にたよらず、自力で決算する方法について、理解いただけましたでしょうか。

最低限の税金や経理の知識を身につけて、会計ソフト申告ソフトを利用すれば、税理士に頼らなくても決算ができます。

ツイッターもやっておりますので、フォローいただけるとうれしいです!

ワクワク小僧のツイッターアカウント

 

あわせて、下記の記事も読んでいただけると、勉強になるかと思います。

マイクロ法人
「マイクロ法人」と「個人事業主」の二刀流で節税する方法と実践例を解説 そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。 この記事を読んでいただければ、下記のことがわかります。 記...
マイクロ法人設立
【完全版】マイクロ法人の作り方(設立方法)を徹底解説 そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。 この記事を読んでいただければ、マイクロ法人や小規模な法人の会...
会計ソフト
マイクロ法人向けの会計ソフトを徹底比較(freee/マネーフォワード/弥生会計) そのような疑問をお持ちの方へ、丁寧に解説する記事となります。 この記事をみていただければ、「会計freee」、「マネーフォ...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA